29日にKBSのMKの大御所、嶋口先生主催に勉強会に参加してきました。
今回のゲストスピーカーはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役常務 兼 株式会社 ツタヤオンライン 代表取締役社長 小城 武彦 氏でした。プレゼンはとても上手だし人を引き込む力のある分析家という印象を受けたのですが、意外にも人のアイデアをほめるのが上手で、その意見を吸い上げ、吸収するといった方で面白く、非常に勉強になりました。←とても僭越な発言ですね・・・。
すんませーん。
以下、簡単に気になったポイントメモを載せます。
ちなみに、人事担当でもあるそうで、やる気と根性のある人材を募集中だそうです。私のKBSの同級生も入社したし、知り合い関連でもコンサルのひとなど結構人材集めに注力しているみたいです。
■基礎データ
現在1000店のFC、100店の直営店が全国にあり、1700万人の会員を擁する。Tsutaya On Lineの方は320万人の会員がいる。
■Tsutayaはwebよりもmobileに力を入れている
高いインタラクティブ性と即応性のケータイを使ったMKは消費の喚起と来店促進には非常に有効なツールである。たとえば、ケータイを使ったクーポンの配布は来店を促し、来客数が増すだけではなく、旧作のみのディスカウントに限定することによって一人当たりの顧客購入単価を約1.4倍までに高めることができるそうだ。(旧作を借りても、やはり人情として新作に手が伸びるので。)
■銀座のママのような顧客リテンション術
会員の足が遠くなり、3ヶ月来店しない会員にはクーポンを自動的に送る仕組みになっている。3ヶ月というのは銀座のママが最近ご無沙汰のお客さんに電話をかける時期と全く同じらしい。これをきっかけに来店した客は借りたビデオを返しにくるときにまた借りるサイクルに入るため、3ヶ月というのはその効果が切れる時期ということでもあるそうだ。小売やサービス業には参考になる仕組みですね。。。
■会員のデモグラフィックデータを最大限活用する
私もこの講演前日にTsutayaの会員になったばかりだったが、会員登録をする際に結構いろんなことを書き込まされた。<氏名、住所、年齢、誕生日、電話番号、職業、ステータス(学生でもいろんな分類があった)、勤め先住所、性別などなど>このデータベースを活かして、Tsutayaにおける購買行動のデータマイニングに使うだけではなく、他社のMKリサーチにも活用している。
たとえば、20代渋谷近辺に通う女子にメール。そのレスを返してくれた人に「店舗で新しい飲料のサンプル差し上げます」などと来店を喚起する。そこでサンプルを配布してケータイでアンケートしてもらい、それを集計/レポートするなんていうこともサービスとしてやっているらしい。消費財のMKするのにうってつけ。おそるべし。。。
■今後の展開
社内の映画おたくが映画の切り口の軸を設定し、データベース化、リコメンデーションエンジンにしている。会員がどのような映画を求めているのか、それをセグメント別に分類することによって、FCエリアごとの仕入れにリンクさせている。また、その膨大なデータを使って、映画制作会社にもその傾向をフィードバックする予定とのこと。なんか、感動なども左右されてしまいそうで、ちと怖いかも。
■Directv失敗の教訓
イノベーティブなサービスや商品はよっぽど顧客が価値を認めるものでないと、ユーザーはスイッチしてくれない。したがって、バリュープロポジションを明確にしないといけない、ということは社内全体で共有しているラーニングだそうだ。
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