ヘルメットをかぶった君に会いたい 鴻上 尚史 集英社 2006-05 売り上げランキング : 32878 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大好きな鴻上尚史の初小説。
とはいえ、どこからどこまでがフィクションなのかよくわからない私小説です。
CMで流れていた学生運動の映像に映っている女性に会いたいという押さえようのない気持ちと、過去や未来への思いをつづった内容です。
ぶっちゃけ、いつもの小気味いい痛快なエッセイモードではないです。
「死なないために学生運動」をする代わりに「死なないために演劇をしてきた」という思い。
しらけることはすなわち死んだも同然というあまりにもピュアなトーンと、劇画的なシーンの泥臭い部分が混じっていて、読む側にいやがおうでも居心地の悪さを感じさせます。
学生運動の時代を知らない自分にはいろんな意味で衝撃が走った本でした。
最近のコメント