サンノゼで開催されていたICF(International Coach Federation)のカンファレンスに参加してきました。
カンファレンスはコーチングに関するいろんなテーマのセッションが同時並行に走り、自分が一番興味のあるテーマやプレゼンテーターのセッションに自由に参加していく形式です。かなりいろんな切り口でセッションが開催されています。プログラムの詳細はICFのHPを見てみてください。
いろいろと思うところもあったのですが、自分にとって印象的だったことをまずは3つほど書いてみたいと思います。
■アメリカのコーチはよくしゃべる
デモセッションというのがあります。それは実際にコーチがデモコーチングをしているのを見るという機会なのですが、私も世界のコーチがどんなコーチングをするのか知りたくて、3人ぐらいのコーチのセッションを見てきました。かなりの驚きは、アメリカのコーチはよくしゃべるということです。また、スタイルも私が学んだコーチング(コーアクティブコーチング)=自分のコーチングと結構違います。ざっくり言って私や日本の仲間のコーチングでは1:4でクライアントさんの方が話す時間が多いのですが、私が見たデモは、4:1もしくは3:2ぐらいでコーチの方がしゃべっていました。これって、コーチのキャラクターや学んだ機関によってちがうんだと思いますが、衝撃を受けました。
■Personal mythというコンテクスト
パーソナルミス、すなわち「個人的な神話」という観点からクライアントさんの人生を捉えてみる。そういうセッションが多かったのが印象的でした。私も最近、ジョゼーフ・キャンベルの「神話の力」などにいたく共感していたので、世界でも同じこと考えている人が多いんだなぁと思った次第です。もうちょっと詳しく個人の神話について説明すると、もっとこうなりたいとか、気になっていること、抱えている悩みなどはその人が迎えるべき成長のフェーズに関して何らかのメッセージを持っています。世界中の神話には共通するパターンがあって、個人ひとりひとりがそういった神話のストーリを生きているとしたら、どんなことが見えてくるのか。すべての人がヒーローとして自分自身の人生に意味やミッションを感じ、周りの人に貢献してギフトをもたらす存在だったらどうなるのか。コーチもクライアントさんの神話と可能性を感じ、共有しながら勇気を持って一緒に歩んでいくということなんですね。
■古代の知
ビジネスコーチングやリーダーシップトレーニングという枠組みでMBA的なテーマもありましたが、ネイティブアメリカンや古代の儀式、宗教観といったところからコーチングの可能性を探るワークショップもありました。私はチベットのクリスタルボールを使った朝のセッションに参加してみました。クリスタルボールとはお仏壇のチーンとならすあれ(「りん」というらしい)のでっかいものや、ガラスでできたかなり大きいボールを木のバチでならし、縁をなぞることで「ウワ~ン」と響きを奏でるものです。このセッションのリーダーはこれをコーチングに使っているそうです。いろんなコーチングがあるものです。私も試して見ましたが、左手にボールを持ち、右手にバチをもって奏でると、体の中心から音や反響を感じて、脳みその裏側をなでられているようなそんな不思議な感じがしました。
姉貴、お帰りなさいませでござんす。
お目に掛かれること、楽しみにしておりやす。
投稿情報: 木枯らしくに助 | 2005-11-15 12:54
お帰り~!
某所の画像で楽しそうな顔して
写ってたもんね。いいなあ。
来年は自分も行くぞ!
とココロに誓う。。。。
投稿情報: ふゆふゆ | 2005-11-15 23:22
どうもどうも~。
今日は山梨からかえってきました。
はは。
来年はセントルイスです。
私は参加するか、不明です。(笑)
投稿情報: wyuki | 2005-11-15 23:58
そうそう、アメリカ人のコーチってよくしゃべるんだよね。それはもう、圧倒されるくらい。アメリカ人のファシリテーターもよくしゃべるよ。これはもう国民文化的な違いだろうな。だから、コーチは「傾聴する」っていうことがアメリカ人の書いた本に書いてあったら、それが実践的にどういう意味なのかを知るためには、アメリカ人のプロのコーチがどのくらいどのように「傾聴」してるかを知る必要があるよね。以前から、アメリカ人コーチの言語表現力の豊かさや鋭さには舌を巻いていたんだけど、訊く(inquire)のと聴く(listen)のとのバランスの絶妙さについていえば、日本人の(一部の)プロコーチのほうが優れていることもあると思っている今日この頃♪
古代の知という切り口では、日本の武術や芸事の世界には、言葉に頼らないコーチングの世界が連綿と継承されてきてるんだ。何しろ日本の文化では言葉によって体系化することを嫌う傾向が強いから、これを本や論文にして国際的に紹介しようなんてことをする人はほとんどいなかったと思うけど、最近では武術の研究からスポーツや芸能への応用を試みている実践研究家もいるくらいだから、そろそろ国際化も可能かも?
来年か再来年のグローバルカンファレンスでは、日本の伝統武術とコーチング、かなんかで発表してみようか?
投稿情報: 田村洋一 | 2005-11-20 09:19
だんな~、コメントありがとう。
だんなって見かけと考えていることと、行動がいいアンバランスでいいよね。(笑)
inquireとlistenっていうのは、前者が探索するっていう感じで、後者が耳を傾ける(傾聴)っていう違いなのかな。
そういわれると、デモで見たあるコーチのコーチングはinquireっていう感じだった。
明らかにクライアントさんの言っていることからコーチが頭の中に地図を描いて、しまいにはフリップチャートでそれを説明していた。(苦笑)
投稿情報: wyuki | 2005-11-22 12:11
えぇぇ~!!
見かけと考えていることと行動がいいアンバランスって~??!!
いいアンバイって言われたのかと思ったらアンバランスってか?!
Inquire と listen っていうのは、「訊けば訊くほど聴いてない」っていう傾聴のパラドックスという話で「なぜあの人だと話がまとまるのか」って本に書いたんだけど、もともとはカウンセラーの東山さんが「プロカウンセラーの聞く技術」っていう本に書いてたことだよ。もっと前には Peter Senge の Fifth Discipline なんかで advocacy と inquiry のバランスなんていう言及があるけど、対話(dialogue)は advocate, inquire, reflect から成り立つんだよね。
アメリカ人のコーチがフリップチャートにクライアントの頭の中の地図を描き出すっていうのは面白いね★ 理知的に理解しようとするほど inquiry が強くなるんだろうな♪
投稿情報: 田村洋一 | 2005-11-22 12:48
だんな~、それはしょうがないよ。(笑)
>アンバランス
語源かぁ。
advocateあたりになると、もう受験英語の世界で、会話のなかで使ったこと、1回もないなぁ~。
対話(dialogue)は advocate, inquire, reflectっていうのもおもしろくて、意識したことなかったけれど、意識してみたら、世界が変わるね。
>「アメリカ人のコーチがフリップチャートにクライアントの頭の中の地図を描き出すっていうのは面白いね★ 理知的に理解しようとするほど inquiry が強くなるんだろうな♪」
これね、私から見ると、クライアントの頭の中の地図を描くというよりも、クライアント話を聞いてできたコーチの頭の中の地図を描くっていう感じだったよ。(笑)
投稿情報: wyuki | 2005-11-22 17:07